匠の肖像

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  • Tadao Ishida
  • Masayo Okayasu
  • Hideo Sato
製作マネージャー 石田忠雄

最も気を遣うのは接着。注射器のわずかな加減で出来が変わる。

 石田は、入社前、料理人になりたいと思っていた。修行もしたが夢敗れ、知人の紹介でエトワールに入社した。 「モノつくりという点では同じだ、と。それに生来、飽きっぽいんです。ここでは毎日同じものを作るんじゃない。いままで世の中にないものを作り上げている。これはおもしろそうだ、と思ったんです」

 石田は入社後、3年間工房で学び、それから営業担当を務めた。 「この流れがいい。まず工房を知る。アクリルを知る。それを知らないと、お客様に提案もできない。そしていまは、お客様がどんなことを考えているか、よくわかる。どちらかだけでは足りない」

 アクリルは比較的加工しやすい素材だ。だが、それ故に難しい点も多々ある。石田が、最も難しいのは、接着だという。 「アクリル板を貼るだけですが、これが難しい。アクリルは透明ですから、接着面が見える。ここに気泡があると美しくないし、場合によっては光が汚れる。これは手加減を覚えるしかない」

 アクリルの接着には溶剤を使う。溶剤でアクリルを溶かして接着するのだ。溶剤が多すぎるとアクリルを溶かしすぎてしまうし、少なすぎると溶剤が接着面に行き渡らず気泡ができる。エトワールの工房では、その溶剤注入に注射器を使っている。繊細な作業をこなすには最適だという判断だ。

 エトワールの工房の特徴の一つに、流れ作業ではなく、一人の職人が一つの作品に責任を持つということが挙げられる。一見すると流れ作業の方が効率的だが、あえてそれを避けている。 「流れ作業だと、工程の一部しかわからなくなってしまう。全部を理解していることが大事なんです。自分で図面を見て、自分で考えて作る。もっといい貼り合わせ方はないか。もっときれいな曲げ方はないか。もう一工夫できないか。そうやってものを作るから、こだわりを持てるし、若手が育つのも早い」
 こういった取り組みは、ベテランが持つ技術の継承にも役立っている。

「機械でできることは、機械の扱いさえ覚えれば誰でもできる。これからもいい機械ができるかもしれない。しかし、やはり人の手でなければできないことは、ずっと残る。僕も先輩から多くの技術を教えてもらえた。これからは若手にそれを返していく番です」

 石田は、“キレイに作る”のは当たり前だという。そうでなくてはお客様に納品できない。キレイにそして速く。それがプロの手腕だ。

「いつか、誰が見ても、すごい!と声を上げるようなものを作りたいですね」

  • Tadao Ishida
  • Keigo Nagasawa
  • Hideo Sato
エトワールのクリエイティビティ
制作事例紹介
技術と感性のコラボレーション
提案力・デザイン力・技術力
40年のモノつくりで培ってきたもの
匠の肖像
工房リーダー:石田忠雄
デザイナー:岡安昌予
デザイン室 チーフ:佐藤英男
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